コンベンツアル会の使徒職
コンベンツアル聖フランシスコ修道会の使徒職は何よりも教会の使徒職への参加です。会員は自らの召命に応じて司祭または修道士として様々な使徒職に従事し、自分の名誉・利益のためではなく、神の国を広めるために与えられたタレントを生かしてゆくのです。
「いかなる形の使徒的活動でも、本修道会に合わないものはない」(会憲第 125条第 3項)。コンベンツアル聖フランシスコ修道会の会員達はその時代の教会と社会のニーズに応え、教会司牧、海外宣教、教育、社会福祉などの様々な分野で活動しています。
コンベンツアル聖フランシスコ修道会はある活動に特化しているわけではありません。「会員の第一の使徒職は、愛と貧しさ、素朴さと謙虚のうちに、人々の中で福音的生活を送ることである」(会憲第 121条第 2項)。教会、学校、福祉施設など、会員達の活動は様々な方面に開かれています。時代の流れとともに活動の形態は変わってゆくでしょう。しかし絶対に外せない使徒職があります。それは「どの様な場であっても、派遣された場所において、アシジの聖フランシスコの模範に従ってイエス・キリストの様に生きる事」です。この変わらない本質こそが、会員達の多様な使徒職を一つに結んでいるのです。
道のり
以下に養成のプロセスの概略をご紹介します。
【小神学校】(3年~6年)
コンベンツアル聖フランシスコ修道会において修道生活を志す中学生~高校生のための養成段階です。長崎にある「聖コルベ志願院」で生活し、中学・高校の普通教育を受けます。併せて、カトリック信仰の基本的な内容とフランシスカン霊性の初歩的な内容に関する教育も行われます。
【志願期】(1年~4年)
コンベンツアル聖フランシスコ修道会において修道生活を志す志願者のための養成段階です。小神学校の卒業生や既に社会経験を積まれた方など、様々な人が志願者として共同生活を営み、養成を受けます。
志願者は大学や他の教育機関での勉学を通して人格的な成熟を目指し、併せて将来の使徒職に向けた知的・技術的準備を行います。またアシジの聖フランシスコや聖コルベの生涯と霊性、誓願と奉献生活の霊性などを学び、「修道者」、「フランシスカン」として生きるとはどの様な事なのかを各自が学んでゆきます。
【修練期】(1年)
志願期を終えると「修練者」として1年間の修練期に入ります。志願期とは異なって世間から距離を取り、静けさと深い祈りの中で自分を見つめなおし、自分が本当にコンベンツアル聖フランシスコ修道会の会員として神から呼ばれているのかを識別します。
この段階では志願期で得た知識をベースとして、特にフランシスカン霊性や奉献生活の霊性、またコンベンツアル聖フランシスコ修道会の歴史や会憲などについて様々な角度から深く学ぶ事になります。
【有期誓願期】(3年)
修練者は修練期を終えると「有期誓願」を宣立します。3年という期間の中で自らが誓った誓願に基づく生活を実際に営み、召命の最終的な識別に向かいます。
この段階において、司祭職を志す人は専門的な哲学・神学の勉強を開始します。修道士を志す人も自身の奉献生活・霊的生活を深め、実りある使徒職を実践するために基本的な神学教育を受けます。
【終生誓願・叙階】
3年間の有期誓願期が終わると、いよいよコンベンツアル聖フランシスコ修道会の会員として生涯を神に奉献して生きる決断をするときとなります。終生誓願によって本会に決定的に受け入れられた会員は、息を引き取るその瞬間までコンベンツアル聖フランシスコ修道会の会員として教会と社会のためにフランシスカンとして奉仕します。
修道士を志す会員の初期養成は終生誓願を宣立した時点で終了し、その後は様々な現場に派遣されてゆきます。司祭を志す会員はそれぞれの進度に応じて勉学を継続し、叙階に備えます。司祭に叙階されると初期養成は終了し、様々な現場に派遣され奉仕する事になります。