修学院長あいさつ
この生活に入る事を望むすべての人へ
関町修学院・志願院長 fra.マルコ 大水恵一
「主がわたしに兄弟たちをお与えくださったとき、わたしが何をなすべきかを示してくれる人は、誰もいませんでした。しかし、いと高きお方自ら、聖なる福音の様式に従って生活すべきことを、わたしに啓示して下さいました。」
これは、晩年のフランシスコが、仲間たちと新しい生活を始めた頃のことを振り返って述べたものです。フランシスコの宗教的目覚めは24歳の頃。これまで心の赴くままに過ごしてきたフランシスコに大きな変化がありました。
フランシスコは、この生活に入るきっかけになった出来事を次のように述べています。
「主は、次のようにして、わたし兄弟フランシスコに、悔い改めの生活を始める恵みを与えて下さいました。わたしがまだ罪の中にいた頃、重い皮膚病を患っている人を見ることは、余りに耐えがたく思われました。それで、主は自らわたしを彼らのうちに導いて下さいました。そこで、わたしは彼らを憐れみました。そして、彼らのもとを去ったとき、以前のわたしには耐えがたく思われていたことが、魂と体にとって甘味なものに変えられました。こうしてわたしは、その後しばらくして世俗を出ました。」
フランシスコは自らを変えていったのは神の導きによるものであることに気づいたのです。「悔い改めの生活」とは、自己のうちに留まろうとするこころを神に向ける生活のことです。
リボトルトという川の畔のあばら屋に集まった若者たちは、何も持たずただ神に従っていく理想にあふれていました。
「聖なる福音の様式にしたがって生活するべき」とは、書かれた文字を超えて、わたしたちのこころの深いところに働きかける生きたみ言葉のことです。このみ言葉は、わたしたちを内側から動かす神の力なのです。
フランシスコとその兄弟たちの理想を生きたいと思う人は誰でも、この生活へと招かれています。